クマチュー!!

1917 命をかけた伝令 [シネマ日記]



-1917- (2018年/イギリス・アメリカ)
監督/サム・メンデス
出演/ジョージ・マッケイ ディーン=チャールズ・チャップマン マーク・ストロング コリン・ファース ベネディクト・カンバーバッチ

(ネタバレがあるので未見の方はご注意を。)

第一次世界大戦開始後から3年経った1917年。イギリス・フランス連合軍は、ドイツ軍の退却は罠であり攻撃を中止するよう戦線突破の任に着いている大佐に伝えるため、将軍からの直接の伝令を2人の若者に託す。2人は命がけで戦地に分け入っていくのだが…、という話。

全編ワンカット"風"に撮影され、観客は最初から最後まで全てのシーンをシームレスに体験できるという事で話題の戦争映画です。ワタシはIMAXレーザーの劇場で観ましたが、これ噂通り本当に没入感が凄かったです。ワンカットに見えますが、様々なロケ地で撮影されてますし、8時間の時間経過を2時間に収めてあることからも正確なワンカットではないというのはわかるんですけど、それはあえて隠してはいないようですし、そんな事は全く気になりませんでしたね。

普通の映画に時々差し込まれる長回しも数分続けばすごいなとは思うんですけど、この映画はシーン毎は完全にカットを割らないし、それの積み重ねで全て繋がっているように見せてますんで、相当な計算をしなければこんな撮影はできないなと思うと本当にすごいと思います。シーンの間は失敗できないし、失敗しても続けなければならないのは、確かに舞台の芝居的ではありますね。カメラの動きが本当にどうやって撮影したか分からないように巧みなんで、メイキングをぜひ見てみたいです。

あと、最初は「ワンカット」が嫌でも頭にあるので、開幕当初はそこだけを意識してしまってなかなか集中できないんですが2人が戦地に入っていく頃にはもうすっかり世界の中に入ってしまった感覚でしたね。カメラもずっと2人の背後を追いかけるのではなく、時には横から、時には頭上から、時には2人の姿から離れて全景を写したりと巧みにアングルを変えるので、カットが割ってある映画と比べてもさほど違和感が無かったのにも驚きました。ストーリーも単純ではありますが結構予想外の展開もありますし、クライマックスからラストにかけてはしっかり感動させてくれます。

豪華なゲスト出演者においては、この映画の性格上ほぼカメオレベルで出演という贅沢な使い方をしてますが、その分登場した時にはかなり感動します。ベネディクト・カンバーバッチが登場した時にはゾクゾクしました(コリン・ファースは逆に彼だと気づかなかった…)。なお、どうしても映像効果主体で鑑賞する事になるので、戦争映画ならではの戦争の悲惨さを改めて認識する心境になるまでにならなかったのは賛否あるかも知れないですね。とにかく、できるだけ大画面で観るべき映画だと思います。できれば今のうちにIMAXでどうぞ!!
  1. 2020/02/24(月) |
  2. アクション映画
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カッターヘッド 真夜中の切断魔 [シネマ日記]



-He's Out There- (2018年/アメリカ)
監督/クイン・ラシャー
出演/イヴォンヌ・ストラホフスキー ジャスティン・ブルーニング アビゲイル・ピニョフスキ アナ・ピニョフスキ

夫より一足先に幼い娘2人と湖畔の別荘を訪れたローラは、そこで何者かに狙われている事に気付くが、夫を待つうちに車が壊され立ち往生してしまう。そんなローラたちの元へ、突如謎の殺人鬼が襲いかかってくるのだが…という話。

非常にオーソドックスな人里離れた別荘地での殺人鬼モノですが、期待してなかった分、むしろそのオーソドックス過ぎる展開が功を奏して意外に悪くなかったです!定石に従い結構ハラハラさせてくれるし、ちゃんと普通に怖いんですよこれが!登場人物がかなり少ないんですけど、この手の映画によく出てくる発情したバカ学生が一切出てこないのが好感度高いし、普通のお母さんと小さなかわいらしい姉妹(本当の姉妹の子役とのこと)だけで謎の殺人鬼に立ち向かわなければならない、という設定が先を読みにくくしていていいですね。映画全般に漂う気持ち悪さとか不気味さなども結構頑張っていると思います。

ただ、ちょっと殺人鬼が姿を現すのが早すぎるような気がしました。タイトルからするとものすごい異形のモンスターが人を切り刻みまくるのかと思いますが、そこはB級の性、(ジャケ写でバレてますけど)見た目がどっかで見たような風体でちょっと残念なんですよ。なので個人的にはこの映画の雰囲気なら姿を見せるのはもっと後、なんなら最後だけでもいいような気がしました。まぁそうするとタイトル詐欺になるから原題に添った邦題にする必要がありますけど。殺人鬼が一体どうしてその姿になり、何の目的でそのような行動をするのか、そういう掘り下げに関してもちょっと説明不足で雑だし、色々細かなツッコミは無くはないんですけど、いわゆるB級ホラーはそのあたりのリアリティよりはいかに怖いかですしね。

あと、弱々しかったお母さんが殺人鬼に攻撃食らった以降からジェイソンなみに強くなるのが気になりましたね。普通死んでると思います、あれ。クライマックスの畳み掛けは、最後に残された人物がもうどうにもならないところまで追い詰められるので一体どうなるんだというハラハラがあっていいんですけど、残念ながらそこまでなんですよね。その後は「それアリ!?」みたいな展開にいきなりなる。で、ラストはもうお約束オブお約束で思った通りなエンディング。「やっぱそうしますよね!」という。監督絶対続編作ろうと思ってるでしょこれ。
  1. 2020/02/23(日) |
  2. ホラー映画
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MEG ザ・モンスター [シネマ日記]



-The Meg- (2018年/アメリカ・中国)
監督/ジョン・タートルトーブ
出演/ジェイソン・ステイサム リー・ビンビン レイン・ウィルソン ルビー・ローズ ウィンストン・チャオ クリフ・カーティス

レスキュー・チームのリーダー・ジョナスは、潜水艦事故の救助で謎の巨大生物に襲われたため親友を助けられず、またその理由を仲間から信じてもらえず仕事を辞めてしまう。しかしその後、最新鋭の海洋研究施設で探査艇が巨大な生物に襲われ消息を絶ち、旧知の仲間からも懇願されたため渋々救助に出向くジョナスだったが、そこで彼らの前に姿を現わしたのは、絶滅したはずの超巨大ザメ"メガロドン"=MEGだった…、という話。

最初は「ジョーズ」の現代版で、今流行りのでかいサメが出るだけの映画なんだろうと思っておりまして、まぁ実際そうなんですけど、やたら乱立しているB級サメ映画の中では映像がちゃんとしっかりしているし、思いのほかストーリーに工夫がされていて面白かったです。開幕冒頭は予想に反して深海パニック映画の様相で、それは実際ワタシの好きなジャンルなので期待する反面、これはステイサムが主役の意味があるんだろうか?と思っていたんですが、次の展開で洋上に出てからはカッコいいステイサムの泳ぎが存分に盛り込まれていて、これならなるほどステイサムを起用する意味があるなと!

さらにそれだけでなく、1匹倒したと思ったらもっとデカイ奴が出てきたり、危機を乗り越えたかな?と思ったら次々にピンチに次ぐピンチが畳み掛けて起こる流れはとても盛り上がっていい感じですし、とにかくバラエティに富んだ展開が盛り込まれいて、飽きずに楽しめました。最後はきちんと王道の「ジョーズ」的なパニック展開になりますし、お約束のちょっと悪どい上層のお偉いさんのエピソードなんかもちゃんと入ってましたしね。あと、海洋研究施設のメカやテクノロジーが結構カッコよくていい感じなのも良かったです。

なお、この映画は中国資本らしく、舞台は中国だし中国人俳優が多数出演していて、「バイオ・ハザードV」や「トランスフォーマー・ロストエイジ」などに出ていたリー・ビンビンがジェイソン・ステイサムといい仲になったりするのが若干違和感がありましたけど、彼女の娘役の女の子は可愛くて良かったし、日本人役のマシ・オカはなんだかんだいい役だったしと、思ったほど気にならない感じに普通にハリウッド映画然として仕上がっていた気はしますね。色々言われてる映画のようですが、何と言ってもステイサム出てますし、ワタシは結構楽しんで観れました。なんで主題歌が「ミッキー」なんだろうとは思いましたが。
  1. 2020/02/16(日) |
  2. パニック映画
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ミッドサマー [シネマ日記]



-Midsommar- (2019年/アメリカ・スウェーデン)
監督/アリ・アスター
出演/フローレンス・ピュー ジャック・レイナー ウィリアム・ジャクソン・ハーパー ウィル・ポールター

(ネタバレがあるので未見の方はご注意を。)

妹が両親を殺して自殺するというトラウマを抱えたダニーは、その悲しみを癒そうとする恋人クリスチャンから、気晴らしに彼の友人の故郷であるスウェーデンの小さな村でちょうど開催されるという夏至祭に行こうと誘われる。そこは楽園のように美しい村だったが、祭に参加するうちにダニーたちは世にも恐ろしい体験をする事になるのだった…という話。町山智浩氏の解説つき先行上映を観てきました。

非常に面白かったんですけど、同時にヤバい映画を観たなぁ、というのが正直な感想です。アリ・アスター監督の前作「ヘレディタリー/継承」も嫌な感じを醸し出す映画でしたが、今作も怖いというよりは非常に嫌な感じをじわじわボディブローのようにかましてくる映画です。話の内容は「ヘレディタリー」よりこっちの方が分かりやすい感じでしたね。テーマ的には若干かぶるような感じも受けましたが、「ヘレディタリー」が終始暗い雰囲気なのに対し、こちらは冒頭が暗いだけで、村に行ってからは白夜の設定なのでとにかく終始ものすごく明るい。それはもうまばゆいばかりで美しく、ほのぼのと牧歌的で楽園のような舞台にもかかわらず不穏な雰囲気が漂い続けているという、とても斬新な感覚のホラーになっていたのが新鮮でした。

これ、要は異文化に出会った時の自分の持つ常識とのギャップが恐怖となっているわけですよね。村の人間はものすごく明るくよそ者の主人公たちを迎えてくれますが、彼らが夏至祭で行う儀式というのが主人公たち(と我々観客)の持つ一般常識とは悉くかけ離れているわけですよ。その中の要素の一つがドラッグだったりセックスだったり自殺だったり殺人だったりするんですけど、でも村の人間側としては代々伝わる当たり前の事を淡々とやってるだけなんですよね。つまり悪気がない。この儀式で幸せになれるのになんでアンタそれをおかしがるんだと。全然普通の事でしょ?と。そこが怖いわけで、同時にシュールというかカルトっぽさがムンムン出ていて、そういうところになんだかホドロフスキー映画のような匂いも感じましたな。なんでも同じようなテーマの日本映画、今村昌平監督の「神々の深き欲望」あたりにも強い影響を受けているとか。

映像表現もかなりキテましてね。誰かがドラッグをやったり薬を飲まされたりしたシーンの後は、画面の背景や物の一部が異様にグニョグニョしたり、体に草が生えたりする幻覚が見えたりするんですよ。これはおそらくラリった時の感じを再現してるんじゃないかと思うんですが、その表現がまぁリアルで観てる自分自身がラリってる感じになって非常にヤバい。普通の映画ではここまで描写しないだろというエロもグロもあるんですが、これが明るい青空のもとで当たり前のようにハッキリ描写されるので、怖いとか気持ち悪いとかエロいとか思うより先になんだか笑けてくると言いますかね。観たらわかると思いますけど。挙句はもう自分は何を見させられているんだ?というトリップ感覚が押し寄せてくるという。いや、ホントヤバい映画ですよこれは。

そんな感じでこの映画、"なかなか"のシーンが満載なので、夫婦やカップル、家族で見ると気まずくなる事うけあいです!そういうのが大丈夫な友達同士か、1人で観ることをお勧めします。ラストは、感情移入する登場人物によって天国!もしくは地獄!!そんな感想が別れるような結末でしたね。個人的には若干拍子抜けだったんですけど、でもこういう終わり方もアリかなと。まぁ、あまり精神状態がよろしくない人はヤラレそうなんで観ない方がいいかもしれないですね。あと個人的にはダニー役のフローレンス・ピューがとても可愛かったのが良かったです。それから、上映後の町山さんのネタバレ解説聞くと、設定や画面に映し出されていたものに色々な意味がある事が分かって理解が深まったので、確認のためにもう一度観たくなりました。初見の衝撃は薄れるでしょうが。
  1. 2020/02/15(土) |
  2. ホラー映画
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犬鳴村 [シネマ日記]



(2020年/日本)
監督/清水崇
出演/三吉彩花 坂東龍汰 古川毅 寺田農 石橋蓮司 高嶋政伸 高島礼子

福岡県に実在する心霊スポット“犬鳴トンネル”にまつわる都市伝説を元にしたホラー。霊が見える臨床心理士・森田奏の周りで、“犬鳴トンネル”に関連して奇妙な出来事が起こり始める。やがて彼女は身の毛もよだつ驚きの真相に辿り着くのだが…、という話。

「ゾンフェス」のゲストで登壇された清水崇監督に握手していただいた時、「「犬鳴村」楽しみにしてます!」と宣言したからには観るしかない!と劇場へ行ってまいりました。久々に正統な、怖い清水ホラーが戻ってきたような気がしますね!!今までの清水作品における恐怖表現が集大成的にてんこ盛りで、なかなか面白かったです。

心霊スポット“犬鳴トンネル”の圧倒的に禍々しいロケーションを含め、全体的に流れる不穏な雰囲気はまさに清水節で、終始非常に嫌な感じが漂っているのがいいです。全体的にテンポもいいし、適度なタイミングでショックシーンが訪れるので飽きるところもないです。結構グロいシーンもありますし、過去と現在の時系列がクロスするように展開するのが斬新で面白いです。劇場で声をあげて怖がっている人もいたぐらいですから、最近のジャパニーズホラー作品の中ではかなり怖くていい出来だったんじゃないかと思います。

ただ…、これはもうワタシ自身のせいなんだと思うんですけど、怖さが物足りない…。満足できないんですよね。人間ドラマに重きを置きたいと言う清水監督の意向も分からんでもないですが、ワタシは監督にはやっぱりもっと心の底から容赦無く怖がらせて欲しいんです!!いや、確かに怖いシーンはあるんですけどそれは全部よくあるビックリ系の脅かしシーンであって、期待していたジワジワゾゾゾ!!とくる怖さではない。正統と言えばそうなんですけど、個人的には今までの清水作品にあった怖さの範疇で、それを超える恐怖表現というのは残念ながら無かった気がします。まぁ、それを生み出す側からするとなかなか難しいんだとは思いますけどね…。

過去と現在がクロス(というかループ)するのも面白いとは思いましたが、それに伴って過去の人物が実体を持って現在の人物と会話してしまったり、現在の人物が過去の出来事に干渉するところまでいってしまうと、現実感がスポイルされてファンタジーになってしまうんですよね…。夢オチシーンが結構あったのもワタシ的には苦手でしたし、思わせぶりに展開しながら何も無かったかのように次のシーンに進行してしまったり、電話ボックスのくだりや真相に近づくあたりなど、いろんなところがかなり雑に処理されたり放置されたりしている感じがしてしまって、申し訳ないですがちょっと物語にノレなかったです。

ワタシは幼少の頃、"ダムに沈んだ村"系の怪談(逃げ遅れた少年が霊になって近づくものを呪い殺す的な)を読んで夜寝れないほどのトラウマになった事があるので、この「犬鳴村」のプロットであればもっともっと怖くできたと思うんですよね!!もちろん今作はここ最近の清水作品ではダントツで面白かったですよ。でも、清水監督にはもっともっとやっちゃって欲しい!「もうやめて!」と言いたくなるぐらいもっともっと怖がらせて欲しい!!そう願うばかりなのでございます。
  1. 2020/02/13(木) |
  2. ホラー映画
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来る [シネマ日記]



(2018年/日本)
監督/中島哲也
出演/妻夫木聡 黒木華 岡田准一 小松菜奈 青木崇高 柴田理恵 松たか子

身の回りで不可解な出来事が続いているという妻子持ちのイクメン男からの相談を受け、オカルトライターと霊能力者のキャバ嬢が調査に乗り出すが、やがてそこへ想像を絶する恐ろしい「何か」がやって「来る」…、という話。

最後にとある人物がぽつっと漏らすセリフこそがワタシの感想の全てです。いやぁ、よくわからなかった!!想定した内容と全然違っていて、とにかく話がどうなるのか分からない。ホラーというか、オカルトというか、本気なのか、わざとなのか、とにかくよく分からない話でした。ただ、それはいいんですよ。そういう展開の話は好きだし、映像も日本のホラーにしては結構スタイリッシュでカッコいいですしね。ただ、そのせいで全然怖くない!いや、怖がらせようとしてないんじゃないのかも?

そもそも何が「来る」のかが分からない。思わせぶりに過去の出来事をフラッシュバックさせたりキモチ悪い虫の映像を入れたりしてますけどね、それが何をどうしようとしているのかがよく分からない。そして結局どうなったのかも分からない。全然説明がないんですよね。最初は、幸せそうで何気ないよくある日常のシーンに醸し出されるなんとなく嫌な雰囲気とか、物語の多重構造で人の姿の表と裏がだんだん見えて来る構成だったりとかはなかなか良かったんですけどね…。グロシーンもそこそこありましたけど、ホラーファンとしてはただ大量に血が流れたり腕がちぎれたりすればいいってもんじゃないんですよね。あえて説明しないんでしょうけど、そうするとワタシのような単純な観客はポカンですよね。

まぁ、でもこれを政府レベルで悪霊のようなものに立ち向かう霊媒師アベンジャーズたちの「特撮除霊エンタテイメント映画」としてみれば、キャラも立ってますし面白かったんじゃないかな、なんて。嫌な奴も嫌なだけでは描いてないのがいいですしね(青木崇高だけはよく分からなかったが)。やさぐれた岡田准一はもうちょっと強くあって欲しかったかな。パンク小松菜奈と組んで大活躍して欲しかったです。それから、謎多き松たか子の勇姿は最後までハッキリシッカリ見せて欲しかった。ただまぁ、その代わり柴田理恵のキャラが素晴らしかったからOKです。途中志半ばで無念にも退場しちゃう沖縄のおばぁちゃんたち、柴田理恵と共闘して活躍するシーンが見たかった…。

ちなみにこの映画は「ぼぎわんが来る」という恐怖小説が原作(未読)ですが、この話だったら映画より小説を想像力を掻き立てられながら読む方が怖いんじゃないかと思ったり。映像化されるとなんだか怖さが消失してしまってるんじゃないかという気がしますね。
  1. 2020/02/02(日) |
  2. ホラー映画
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ZOMBIO/死霊のしたたり 4Kレストア版 [シネマ日記]



-RE-ANIMATOR- (1985年/アメリカ)
監督/スチュアート・ゴードン
出演/ジェフリー・コムズ ブルース・アボット バーバラ・クランプトン デヴィット・ゲイル

2020年3月、4Kレストア版の「死霊のしたたり」がブルーレイで再発!!しかも邦題の頭にちゃんと「ZOMBIO」が付いて復活です(なぜ1回外れたの?)。その前に「死霊のえじき」同様、映画館で劇場公開されるという事で、アップリンク吉祥寺で鑑賞してきました。

(2013年にブルーレイが発売された時の感想はこちら。)

80年代に初めて観てからものすごいインパクトを受け、その後現在に到るまでトータル的な面白さでこれを超えたホラーがあるのか?と思うほど大好きな映画なんですけど、久々に観てもやっぱり最高に面白いですね!!VHSビデオの劣悪な画質で熱狂したこんなクレイジーな映画を、今の時代に映画館で観れているということが、もう信じられなくて笑ってしまいますよ。

当初はある意味極まった徹底的にモロなエログロ表現がこの映画の魅力でしたけど、改めて観るとコメディ要素も大いに魅力ですよね。ウェストの淡々とした表情で笑えるシーンをやるおかしさ。ウェストとダンが生き返らせた猫と地下室で格闘するシーンは、ジェフリー・コムズの迫真の一人芝居がいいですね!「死霊のはらわたII」のブルース・キャンベルが自分の右手と格闘する名シーンを思い出しましたよ!(こっちの方が公開は早い。)個人的にはヒル博士を蘇らせて名前を呼ばれた時の「はい、ウェストですよ。」がツボでした(多分新規字幕)。

あと、ヒル博士の首と首なし胴体のコンビネーションコント!結構笑えますけど、やはりこう言うシーンがこの映画の真骨頂なんですよね。さらに首だけヒル博士は、蘇らせた死体にレーザードリルでロボトミー手術を施し、脳波で操ると言う超技術を発動!!1回首切られて生き返った後の方が才能覚醒するとはどういう理屈!?しかもあの体で短時間に何体もの死体に施術してるし。ウェストも若干頭を削られていたのは笑えましたね。

それから医学的な人体図がデザイン的に展開していくタイトルバックがいいんですよね。「007」のような独立したタイトルバックがある映画が大好物なんですが、この映画にピッタリマッチしてて素晴らしい。リチャード・バンドによるテーマ曲は「サイコ」のテーマのもろパクなのは有名ですが、リズムにドラムが入っていて意外にノリのいい曲だったのに気づきました(「死霊のしたたり2」はドラムパートがないのでよりパクリ度が高く聞こえる)。この曲、全編のポイントポイントでも流れるので頭にこびりつくんですよねぇ。

ところで、本作ラストでヒル博士は頭ぺちゃんこに潰されてるし、ウェストは死人に腸でぐるぐる巻きにされてどこかに連れてかれるのに、「死霊のしたたり2」では何の説明もなくしれっと復活しているのはなんなんですかね?続編に当たっては監督もスチュアート・ゴードンからブライアン・ユズナに変わってるし、いわば「死霊のはらわた」同様リブート的作品であって、つながりはどうでも良かったとか?

さて、今回劇場公開された4Kレストア版はかなり鮮やかな画質だったので、BDも同様に画質向上している事を期待します!!持っている2013年版のBDもキレイだと思っていたんですが、家帰って観直したら画質の彩度が薄くてちょっとボヤけている感じでしたので…。あと、アウタースリーブがVHSパッケージを再現していたり、上映時間が長いインテグラルバージョンが同時収録されていたり、映像特典までBD化されているのも期待大!!同時発売の「死霊のしたたり2」のBDもHDリマスターノーカット仕様らしいんで、合わせて購入決定です!!
  1. 2020/02/02(日) |
  2. ホラー映画
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スパイダーマン: スパイダーバース [シネマ日記]



-Spider-Man: Into the Spider-Verse-(2018年/アメリカ)
監督/ボブ・ペルシケッティ ピーター・ラムジー ロドニー・ロスマン
出演/シャメイク・ムーア ジェイク・ジョンソン ヘイリー・スタインフェルド ニコラス・ケイジ リーヴ・シュレイバー

「スパイダーマン」映画初のCGアニメ化作品。

MCUで実写版のスパイダーマンシリーズがあるのに、なんでCGアニメなんだと?実写と実写のつなぎにCGでとりあえず作りました、みたいなものを想像してたんですよね。そもそもアメリカのCGアニメ(特にあのワンパターンなキャラデザイン)にそんなに興味がないワタシなので、スパイダーマンをCGアニメにしてもなぁ、と食指が動かなかったんですけど、あまりにも評判がいいので観てみました。思った以上に面白かったです!

ワタシは知らずに観たんですが、今作の主役であるアフリカン・アメリカンの少年、マイルス・モラレスはコミックのリブート版である「アルティメット・スパイダーマン」の主人公で、ピーター・パーカーとは別のスパイダーマンということらしいですね。スピンオフというよりはMCUとは違う世界観を描いています。もちろん元ネタを知っていればより深く楽しめるとは思いますが、知らなくても全然楽しめるようになっています。逆に原作を知らないでいれば、それはそれで結構驚くどんでん返しなどがあるので面白いかもしれないですね。

新米スパイダーマン・マイルスとともに、次元を超えた複数の個性豊かなスパイダーマンが登場して共闘するのもアツイですね。ちょっとやさぐれたピーター・パーカーを始めとして、フィルム・ノワール風、カートゥーンに出てくる子豚キャラ風、ちょっと変だけどそれっぽい日本の美少女アニメ風などバラエティに富んでいて、彼らがそれぞれの個性を駆使して協力していく姿は非常に楽しい!マイルスがだんだん自分の力に目覚めて一人前になっていくのは胸アツ!上映時間が2時間もあるのに、とにかくストーリーのテンポの速さと映像のスピード感が尋常じゃなくて、ダレるところはほぼなしで進んでいくのがいいですね。

この手の画面詰め込み型の映画は、もう情報量が多すぎて何が何だかわからなくなる(「トランスフォーマー」や「アベンジャーズ」シリーズなどが顕著)のはあって、この映画もそうなんですけどなぜかそんなに疲れない。完全CGアニメでありながら、比較的マンガ的な画像処理や演出がされている(アメコミ風のコマ割りになったり効果音が文字で入る)のもいいし、アニメだからこそ実現するオーバーでコミカルな演出も不自然さがなく良かったです。最新CG効果とアメコミ演出効果のいいとこ取りのバランスが素晴らしいんですよね。作り手のセンスがもう溢れ出しているというか、こんなのよく作れるなというか、才能に嫉妬してしまうような映像表現だな、という感じです。

非常に面白かったので、このCGアニメスパイダーマンは独自のシリーズで続けて行って欲しいですね!それから、マーベル映画らしく、あの人がちゃんと出てたのはさすが!と思いました。あと、エンドロール後の締め方最高。
  1. 2020/01/26(日) |
  2. アニメ・特撮映画
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ゲティ家の身代金 [シネマ日記]



-All the Money in the World-(2017年/アメリカ・イギリス)
監督/リドリー・スコット
出演/ミシェル・ウィリアムズ クリストファー・プラマー マーク・ウォールバーグ

世界一の大富豪・石油会社社長ゲティの孫ポールが誘拐され、犯人に高額の身代金を要求されるが、ケチなゲティはそれを断固拒否。その裏で元CIAの交渉人と母親がポールの奪還に奔走する、という実話を元にした話。

息子を誘拐して身代金を要求した犯人に「絶対金は払わん!」とキレて、逆に犯人に身代金分の懸賞金をかける、というメル・ギブソン主演の「身代金」という映画がありましたけど、そういうのを想像していたら全然違ってました。ただ、元となった実話は知らなかったので、どういう展開をするのかわからなくてなかなか面白かったです。まぁ、ストーリーがほぼ現実の出来事という事で、まさに事実は小説より奇なりを地で行くなぁ、という感じですね。

孫の身代金を払わない社長と犯人の攻防をじわじわ描くような地味な話かとも思ったんですが、あくまでも金を払わないと言い張る社長は割とのほほんとしていて、その代わり元CIAの交渉人と母親がいろいろ頑張ります。犯人との攻防やすれ違い、人質となった孫の一難去ってまた一難と二転三転する運命など、結構思った以上にスリリングな展開もあったり、グロくて痛いシーンがあったりするのは驚きました。危機一髪でなんとかなると思いきや、本当にやるんだ!!という。これも事実だというから恐ろしい!!

このゲティ家という大富豪の一家は、誘拐された孫を始め、大金持ちですけど悲惨な人生を送った人が多いようですね。その因縁かは知りませんけど、そもそも主役のゲティ社長をケヴィン・スペイシーが老けメイクで演じていて、ほぼ撮影が済んでいたところに例の事件があって、クリストファー・プラマーを代役になんと1ヶ月で撮り直したんだとか!!なんか最近大河ドラマ界隈で聞いたような話ですねぇ。あと、マーク・ウォールバーグもギャラ関連で揉めたとか。つくづくキナ臭い映画でございます。

御歳82歳のリドリー・スコットは今のところこれが監督最新作。まだまだ頑張っていただきたいですが、できるだけ早く、「エイリアン・コヴェナント」から「エイリアン」1作目に繋げる作品は作っていただきたいところ。クリント・イーストウッド先輩もまだまだ精力的にやってるので大丈夫だと思いますけど。
  1. 2020/01/25(土) |
  2. サスペンス映画
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死霊のえじき(デジタル・リマスター完全版) [シネマ日記]



-DAY OF THE DEAD-(1985年/アメリカ)
監督/ジョージ・A・ロメロ
出演/ロリー・カーディル テリー・アレクサンダー ジョセフ・ピレートー リチャード・リバティー

ジョージ・A・ロメロ監督の「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」「ゾンビ」に続くゾンビ3部作の最終作。

この度HDニューマスターの新Blu-rayが発売されるということで、それに伴いいくつかの映画館で劇場公開されるという朗報を聞きつけ、ワタシはアップリンク吉祥寺で鑑賞してきました。

完全版ですので、当然ながらR15+指定のグロ描写ノーカット101分版!それをビスタサイズ・6.1chサラウンドで楽しめる!というわけで、ミニシアターながら非常にのめり込んで観れました。特にこの映画が初公開された時代はまだワタシは田舎の少年であり、それほど足繁く映画館に行くことは難しかった事もあって、劇場で、しかも鮮明な映像と迫力の音響で観れたのはなんとも感慨深い!しかも、昨年11月のゾンフェス、12月の「ゾンビ 日本初公開復元版」の劇場公開とゾンビ熱が上昇しているところにこの作品の劇場リバイバル公開ですから、胸アツでしたね!!

当初の構想より大幅に予算削減されて映画のスケールが小さくなってしまったというのは知られる話ですが、確かにゾンビシーンはそんなに多くないし、会話シーンが中心だったりするので途中まったり退屈になるところはあります。でも少ないながらもゴアシーンについては「ゾンビ」を大幅に超えるトム・サビーニ氏会心のお仕事ですんで、まぁ今じゃもうこんなの作れないだろうなというほど改めて観ても強烈にグロい!しかも画像が鮮明になっているので血やら内臓の色がまぁビビッドな事!撮影用の腐敗した豚の内臓の匂いを我慢しながら撮影に臨んだローズ大尉の苦労を思うと、あんなに憎たらしいのにちょっとかわいそうになったりして。

それにしても、問答無用でゾンビが蔓延する世界からの開幕や、徘徊するゾンビの個性豊かさ、そしてラストにヘリコプターだったりするのを見ると、やはりこの作品はロメロ監督の正統なゾンビ3部作の1作なんだなぁとしみじみ思ってしまいました。改めて観ると各キャラクターも立っててうまく書き分けられているし、各々が見事な自分の役割を果たして死んでいく…。よくできているお話だと思うし、バブはカッコいい!

なお、2004年に「完全版」DVDがリリースされた時の感想はこちら。まぁ、今回も概ね同じ感想です。

あと、字幕がノーマン・イングランドさんと児嶋都さんだったのに驚きました。ホントゾンビクレイジーな方々ですね!!

  1. 2020/01/25(土) |
  2. ホラー映画
  3. | コメント:0
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